シロアリ駆除という仕事は、一般のお客様が確認しづらい床下での作業がほとんどなので、中にはそこにつけ込む悪徳業者も。
シロアリ駆除を依頼したくても、信頼できる業者の選び方が分からないと、満足のいく結果を得ることは難しいかもしれません。
かといって、放置してしまってはさらにシロアリ被害が拡大するばかりでその代償は計り知れません。
悪徳業者に引っかからないためには、信頼できる業者を見極めるポイントを知っておく必要があります。
そこで今回は、信頼できるシロアリ駆除業者の選び方をメインにお伝えします。
シロアリ被害を放置するとどうなる?
シロアリは小さく、ほかの害獣に比べると騒音などの被害はありません。
しかし、シロアリは確実に大事な家を蝕み価値を下げてしまいます。
売却時にシロアリ被害があることを隠して販売すると 「契約不適合責任」 によって最悪の場合、 損害賠償請求 される事態にも発展しかねません。
高値で販売するには 建物の修繕・解体 が必要になることもあります。
そんな最悪の事態になる前に少しでも早く手を打ちましょう。
実際に恐ろしいのが震災時にシロアリ被害を受けていた家の90%が全壊したというデータもあります。
一方でシロアリ被害の無かった家が全壊した割合は20%にも達しません。
いつかは来る震災に備えて、 放置せずに大きな地震が来る前にシロアリ被害がないかの点検は必ずしておきましょう。
シロアリ駆除は自分でできる?
業者に依頼すると当然費用がかかるので、できるのなら自分で行いたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
自分で行う方法もなくはありませんが、以下の理由で自分で行うのは難しいと言えます。
シロアリ駆除が難しい理由
・ 専用器具をそろえなければいけない
・ 狭く暗い場所での作業
・ かえってシロアリ被害の拡大を招いてしまう
専用器具をそろえなければいけない
専用器具は市販で揃えられるものの、手間とコストを考えると大変なのは間違いありません。
汚れても良い服、 マスク(密閉性の高い物)、懐中電灯、長靴、帽子、薬剤など・・・揃えなければいけないものは多いです。
狭く暗い場所での作業
シロアリ駆除は床下での作業が基本です。
床下はシロアリはもちろん、 シロアリ以外の虫がいる可能性もありホコリっぽく暗いので床下作業に慣れていない方にはおすすめできません。
かえってシロアリ被害の拡大を招いてしまう
スプレータイプの薬剤でシロアリに直接薬剤をかけるのは、目の前のシロアリを殺傷するには効果的ですが 表面しか処理できず地中のシロアリは駆除できません。
またピレスロイドという成分を嫌ったシロアリが家の別の場所に移動し、被害の範囲を拡大 してしまう原因になることがあります。
床下の作業をしなくても、毒餌を床に埋める「ベイト工法」という駆除対策もありますが、業務用と違いしっかりと効果を出すためには建物一つにつき何十本も設置する必要があります。
また一度セットすれば 永久的に効果が持続するわけではなく一年に一回は交換する必要があります。
一度だけのセッティングであれば良いですが、それを繰り返し行うとなるとその分の手間とコストがかかることになります。
シロアリが発生する原因
シロアリは私たちの知らない間に住宅に住み着き、家の木材を食い荒らします。
なぜシロアリが発生してしまうのか、疑問ですよね。
ここでは、シロアリが発生する原因や発生しやすい条件などを解説します。
シロアリが発生する原因は?
シロアリは、エサとなる木材がたくさんある場所で発生します。
特に、土に接している木材は注意が必要で、地中にいるシロアリが侵入することがあります。
日本の家屋は基本的に木材で作られているので、シロアリにとっては良い環境なのです。
シロアリはエサが豊富にある場所を見つけると、仲間を呼び寄せて食害をします。
また、そのほかの原因として羽アリが飛んでくることにより、巣を作ってしまうこともあります。
シロアリ被害はすぐに拡大してしまうので、発見したら早く駆除をすることが大切です。
シロアリが発生しやすい条件とは?
シロアリが発生しやすい条件を下記に挙げました。
・湿気が多く温かい場所
・暗い場所
・エサがたくさんある場所
・敵がいない場所
シロアリは、暗くて湿気が多く暖かい場所に住み着き、湿気によって柔らかくなった木材を特に好みます。
また、外敵から隠れることができる場所も、シロアリが住み着きやすい環境です。
このことから、家の中でシロアリが発生しやすい場所は、以下のような場所があります。
・床下
・天井裏
・水回り
・ウッドデッキ
最近の家は、断熱材を使っていることが多いため、冬は暖かくて快適な一方で、熱がこもりやすく風の通りも悪くなりがちです。
そのため、シロアリが好む環境になり、1年中シロアリが活動します。
水回りもシロアリが好む場所で、タイルの隙間などから侵入してくることがあります。
また、ウッドデッキの場合、地面と直接接していることが多いので、シロアリが発生しやすいです。
このことから、家の風通しを良くしたり、雨漏り対策などをしたりするのが大切です。
シロアリ駆除にはどのような方法があるの?
シロアリの駆除方法は2つあり、それぞれの方法の特徴を知っておくことが大切です。
ここでは、代表的なシロアリの駆除方法を解説します。
ベイト工法
ベイト工法はシロアリを死滅させる「ベイト剤」という薬剤が入った特殊なエサを家周辺に埋め込み食べさせ、巣ごとシロアリを全滅させる方法です。
薬剤を食べたシロアリが巣に持ち帰る事で巣の中のシロアリも死滅させます。
ベイト剤はシロアリの脱皮を抑制することで死に至らしめるものなので、脱皮をしない哺乳類には影響がありません。
そのため、お子様やペットが居るお家でも安心して使用することができます。
駆除には大体2~3ヶ月かかります。
ベイト工法の手順
①ステーションを設置する
建物の基礎から20~30cmほど離れた場所に穴を掘ってステーション(容器)を設置します。
②シロアリの活動状況を調査
ステーション内の餌木を点検してシロアリの活動状況を調査します。
③薬剤を設置
シロアリを確認したら薬剤の入ったカップを設置します。
④シロアリが死滅
薬剤から生きているシロアリが確認できなくなったら、駆除終了です。
※シロアリは複数の巣が存在する場合がありますので、1箇所で駆除が終わっても他の場所のステーションは回収せず様子を見ましょう。
バリア工法
バリア工法は薬剤を撒いて家へシロアリの侵入を阻止する工法です。
床下の被害のある箇所に穴を空けて薬剤を注入または散布します。
床下からの作業が困難な水回りや玄関などは直接穴を開けて作業を行なう場合もあります。
バリア工法は床下などの狭い場所で行なう為、施工担当者の技術が必要とされます。
ベイト工法とは異なり即効性・持続性に優れており、シロアリの侵入経路に散布することで予防効果も期待できます。
ただし、家屋に直接散布するため、お子様やペットのいるお家ではおすすめできません。
バリア工法の手順
①床下の被害箇所へ穴を開け薬剤を注入
シロアリの被害箇所にドリルで直径10mmほどの穴を開け、薬剤を注入します。
可能であれば、木栓で穴を塞いでおきましょう。
②木部の表面に薬剤を散布
木部の表面には蟻道の活動範囲に対して、ムラ無く薬剤を散布してください。
③土壌に薬剤を散布
木部処理の後は、地表面にも薬剤の散布を行います。
シロアリは家の下の土壌から侵入してきますので、束石や基礎周辺には念入りに散布しておきます。
シロアリ駆除はプロの業者がおすすめ
シロアリ駆除は自分で行うとなると手間とコストがかかるということがわかりました。
また手間とコストをかけても再発防止のために一年に一度の点検も行わなければいけません。
しかし一部のシロアリ業者では、駆除作業はもちろんのこと作業後に 万が一シロアリが再発したとしても保証が付いてくる ことが多く安心してお願いすることができます。
以上の点を踏まえて、シロアリ駆除はプロの業者にお願いするのが良いという判断です。
シロアリ駆除業者を選ぶポイント
シロアリの駆除をしている業者は多いため、どのようなポイントで業者を選べば良いか分からないですよね。
安さだけを重視して業者を選ぶと、シロアリの駆除がうまくいかず、被害が大きくなることも考えられます。
そこで、ここではシロアリの駆除業者の選び方について解説します。
複数の業者から見積もりをしてもらう
1つ目のポイントは、複数の業者に見積もりをしてもらうことです。
シロアリ駆除の金額は相場がはっきりと決められていないため、業者によって大きく異なります。
そのため、1社だけで決めてしまうと、後でより安くてサービスの良い業者が見つかったりしたという場合も多いはずです。
そうはいっても、あまりに多くの業者に問い合わせをすると対応が大変になるので、3社~4社ピックアップをして比較をすると良いでしょう。
シロアリの生態や使用する薬剤について詳しく説明してくれる
従業員の教育が行き届いている会社なら、シロアリの生態や使用薬剤の説明など、ごく簡単なことです。
ただ、シロアリ駆除は素人でも明日から始められてしまう職種でもあり、外見だけで専門性がある業者なのか見極めることは困難です。
特に最近ではインターネットの仲介サイトを通じて、零細・個人業者がシロアリ駆除作業の下請けを行っているケースが多く、それらには統一されたノウハウや技術力がありません。
不安に思った場合は、見積もりの際の現地調査の時に、少しだけインターネットで調べてから、シロアリに関する質問を投げかけてみましょう。
納得いく答えが返ってこなかったりするような業者には要注意です。
専門性にかけるかもしれないのでやめておいた方が良いでしょう。
作業内容について、しっかりと説明してくれる
自社の作業に自信のある会社なら、自社の特徴や得意なことを話して来るはずです。
具体的な作業の流れや工事のポイントについて質問してみてください。
しっかりと説明してくれないようでは、不安が残ります。
お住まいの形は一律ではなく、シロアリの発生するポイントや被害箇所もバラバラです。
特に床下にも入らず、家を適当に見回るだけで簡単に作業内容や見積もりを出す業者の場合、被害箇所を見落としてしまう可能性があり、再発の危険性が高くなります。
また、マニュアル通りの説明ではなく、あくまでもお客様のお住まいにとってベストな作業内容であるのかも合わせて確かめるようにしましょう。
日本しろあり対策協会に加盟していて、しろあり防除施工士の資格者がいる
シロアリ駆除の資格として、「しろあり防除施工士」があります。
この資格は、日本しろあり対策協会が決めた資格です。
公益社団法人日本しろあり対策協会は国土交通大臣の許可を得ている日本で唯一の業界団体で、シロアリの研究や薬剤の認可など最も権威のある組織です。
技術者の資格制度として「しろあり防除施工士」という資格の登録・検定や最新情報の広報などを行っています。
しろあり防除施工士は、筆記試験と所定以上の実務経験が必要で、また、3年ごとに更新が必要な資格です。
資格を持っていないからと言って依頼を受けられないわけではありません。
しかし、資格を持っていることは、シロアリ駆除についての専門知識を持っている証明になります。
このことから、資格の有無も業者を決めるうえで1つの基準となるでしょう。
公式ホームページには会員名簿が掲載されていますので、依頼したい業者が会員であるか確認してみてください。
実績を見る
シロアリ駆除業者を選ぶ際は、資格だけでなく実際の経験を見ることも大切なので、ホームページで確認をしておきましょう。
経験のある業者の方が、対応力に優れている可能性が高いです。
また、写真や動画をきちんと見せてくれる業者であればより安心です。
保証内容をチェックする
信頼のできる業者の場合、施工後の保証も整っていることが多いです。
5年間の保証だけでなく、定期的に点検もしてくれるか確認をしましょう。
定期点検がサービスに含まれていれば、自分で点検をする必要がありません。
実績のある業者であれば、シロアリは完全に駆除できることが多いです。
しかし、万が一シロアリが再び発生したときのために、保証をしっかりしてくれる業者なら安心して任せられますよね。
ハウスメーカーや工務店に紹介された
大手ハウスメーカーやパワービルダー、工務店に至るまで建築業者は、建物の品質管理に余念がありません。
厳しい品質管理をしているそういった有名メーカーと取引している会社は、単に知識や技術が優れているだけでなく、マナーまで意識している、安心して任せることができる会社であると言えます。
悪質な業者の手口を公開
悪質な業者の勧誘手口には、いくつかの傾向が見られます。
その手口の一部をご紹介します。
アポなし訪問
こちらから依頼をしていなくても、何の前触れもなく突然訪問して来ます。
このような業者の話は聞こうとせず、きっぱりと断ることが肝要です。
無料診断で不安を煽り次々に商品・対策を勧めてくる
無料点検・診断・見積もり自体はシロアリ業界では標準的なことであり、有料でおこなうところはほとんどありません。
しかし診断結果を大げさに報告したり、「すぐにやらないと家が倒れてしまう」など脅しをかけたりし、次から次に対策商品を勧めてきます。
虚偽報告
お客様が床下に入れないことにつけ込み、有りもしないことを報告し、必要もない商品・対策を売りつけます。
高額な見積
必要なサービスに適切な対価を支払うのは当然ですが、悪質な業者は総じて高額な見積を出す傾向があります。
特に広告では最安値だけを表示し、いざ見積もりをとってみると「この家は特殊だから」といつのまにか施工単価が高くなっていたり、高額なオプション商品をセットにする場合もあります。
相場よりも高いなと感じたら、すぐに契約せず、他の業者との相見積を取りましょう。
極端に安い見積、同業他社を悪く言う
どんなサービスにも本来、適正価格というものがあります。
シロアリ駆除は、駆除したらそれで終わりではなく、そこから始まる定期的なアフターサービスがとても重要です。
全て専門員が動いて行うサービスばかりですので、極端に安い業者に同じ品質のサービスが提供できるとは思えません。
最近は自ら他社の値段と比較し、他社を悪く言い、自社の安さだけをウリにした、専門性の乏しい、怪しい会社が数多く出現しているようです。十分ご注意ください。
いますぐの契約を迫る、すぐに工事したがる
悪質な業者はアフターサービスのことなど考えていないため、すぐに契約をさせ、工事し、あとのことは何のフォローもしてくれないなんてこともありえます。
業者がなくなってしまっていれば、契約時に5年保証と書いてあったとしても、そのときにはもう保証は受けられません。
広告などを見ていると、シロアリ駆除は見つけたら急ぎで対応する必要があると思いがちですが、実は業者選びに一週間かけても、シロアリ被害はほとんど進行しません。
シロアリ被害を見つけても慌てずに、これから長く付き合うことになる業者をしっかりと選びましょう。
シロアリ駆除を業者に依頼する際の注意点
シロアリ駆除を業者に依頼する際は注意も必要です。
ここでは、注意すべきポイントをいくつか紹介します。
価格だけで選ばないようにする
サービスの質が低い 場合もあるので口コミや現地での 対応 、 見積内容 などを見て決めることが重要です。
キャンセル無料で、実際に現地まで来て見積を出してくれる業者が理想的でしょう。
その際、料金内容に加えてサービス内容まで目を通すと安心です。
1回のシロアリ駆除費用は決して安い依頼料金ではありませんが、 家との付き合いは何十年 にもわたります。
単純な価格だけでなく、実際に 見積もりをとった際の業者の対応 や、 実際の対応を口コミと比較 してどうかなど、サービスの品質など 総合的な情報で判断 しましょう。
必ず複数の見積りを行う
業者によって施工内容や金額・保証内容が異なる場合があるため、 手間だからといって1社の話を聞いて決断するのではなく 、必ず複数の見積もりを取るようにしましょう。
追加費用などで よく分からない料金まで取られる 可能性もあります。
複数の見積もりを 比較した上で、不明点は必ず業者に確認 するようにしましょう。
直接の営業には注意
何の前触れもなく直接営業にくる業者もいますが、契約を無理矢理迫られたりする可能性もあるので注意してください。
訪問販売を行っている悪徳業者は、「無料点検」と言って訪問してくるケースがほとんどです。
床下換気扇や床下調湿剤など、本来であれば必要ない商品を契約させされることもしばしば。
公的機関ではシロアリ駆除に関して直接営業に来ることはまずありません。
万が一、押し売り訪問で脅された場合は、勇気を出して警察に相談しましょう。
ホームセンターは下請けに依頼している場合があるので注意
ホームセンターは下請けに依頼していることが多いので注意してください。
ホームセンターに発注しても別の業者が来て、料金体系がよく分からないまま、二重取りされてしまう可能性もあるので、どのような業者が来るのか確認が必要です。
二重取りとは、あらかじめ支払った料金とは別に再度料金を請求されることです。
ホームセンターは下請け業者に依頼していることが多く、料金体系を確認しないまま依頼してしまうと、ホームセンターで料金を支払ったにもかかわらず別の業者から請求が来るケースもあります。
思わぬ支払いトラブルを未然に防ぐためにも、料金体系はしっかりと確認しておくようにしましょう。
安さだけで選ばない
格安を謳っている業者は、何か裏がある可能性があります。
たとえ安い料金で依頼できても、サービスの質が悪ければ不安は残るものです。
かといって、料金が高ければいいというわけでもありません。
料金が相場よりも高い場合は、知らないところでオプション料金などを上乗せしているケースも考えられます。
あくまで目安ではありますが、キャンセル無料で現地見積もりを行ってくれる業者なら安心して任せられるでしょう。
事前調査は完全無料か
事前調査が完全無料の業者を選びましょう。
見積もりが無料といっても、現地調査後に施工を依頼しない場合は「キャンセル料」を請求する業者もいるため、注意が必要です。
調査・見積もりを依頼する前に必ず確認しましょう。
相見積をとるつもりが、余計な費用がかかったなどということがないよう、問い合わせ時にチェックしておきましょう。
再発保証サービスがついているか
再発保証サービスがある業者を選びましょう。 再発保証がないと、駆除後にまた被害が出たときに再び費用が発生してしまいます 。
また長期の保証サービスがある場合、業者にとって再び駆除を行うことのほうが負担になるため、しっかりと施工すると予想できます。
事前調査の段階や見積書を提示された時に、再発保証の内容や保証費用が別途かかるかについても確認しておきましょう。
見積もりに詳細の明記があるか
見積もりに、何にいくらかかるのか、詳細の明記があるか確認しましょう。
きちんと見ずに、家の外観だけで見積もり金額を出す業者は避けましょう。
事前確認時に、きちんと天井裏や床下をみているかも重要です。
中には見積もり書がなく、口頭だけの業者もあります。
これでは何にお金がかかったのかもわからないだけでなく、請求額と照らし合わせることもできません。
見積もりの段階で、信頼できる業者なのかしっかりと見極めましょう。
シロアリ駆除の費用相場
一般財団法人経済調査会の統計によると、シロアリ工事の価格を坪当たり10,725円(1㎡あたり3,250円)としています。
しかし、実際にはシロアリ駆除の費用にはお住まいの環境や被害状況によって、追加料金が発生する場合があります。
地域の特性による価格差
地域の特性によっても価格が変わる場合もあります。
東京、大阪などの大都市圏は、比較的建坪が小さい家が多く、㎡あたりの金額は、自ずと高くなります。
なぜかというと、どんな小さい家でも施工する上で、最低限の経費と時間がかかるため、あまりに施工単価が低すぎると、赤字になってしまい仕事として請け負えないためです。
また、九州及び本州・四国一部でのイエシロアリの生息地域については、ヤマトシロアリ(イエシロアリほど強力ではない一般的な日本のシロアリ)の生息地域に比べ1.2~1.5倍ほどの費用設定になっています。
建物の構造
建物の構造によって費用が変わる場合があります。
次のような建物の細かな構造は、駆除工事の難易度に関わり、価格が変わる場合があります。
・床下に入れる高さ(スペース)はあるか?
・床下点検口1箇所から入るだけで、お住まいの床下全てに入れるか?
・バスルームやトイレがタイル張りか?(タイル張りだと作業に手間がかかる)
・基礎断熱がなされているかどうか?
また、木造、RC造、鉄骨造など建物の基本的な構造によっても、薬剤処理する範囲や工事方法も変わるため、価格が上下する要因になります。
被害の程度
柱が食い荒らされているなど、現在どれくらいシロアリの被害にあっているかも、費用が大きく変わるポイントです。
構造上の難易度が高く、さらにシロアリ被害も深刻であればあるほど、経験やノウハウを長く積んだ技術力の高い業者でないと対応が難しくなります。
激安業者の場合、簡単な工事しか引き受けず、建物の構造が複雑であったり、被害がすすんでいる場合は、あえて宣伝価格より高く見積もったり、依頼自体を断ったりするケースもあるので注意が必要です。
さらに業者の技術レベルが高くない場合、シロアリ被害自体を見逃すケースもあり、その場合再発生のリスクが高まります。
工法の違い
シロアリ駆除の工法によっても、価格が変わります。
・ベイト工法の相場
薬剤を撒かないベイト工法で建物の外周1メートルあたり4,000~8000円が相場です。
埋め込むベイト剤の個数によっても変動します。2回目以降は1ヶ月あたり100円~200円が相場です。
・バリア工法の相場
薬剤を撒くバリア工法で坪単価6,000円~10,000円です。
上記はあくまで目安となります。
シロアリによる被害状況や施工方法によっては、単価がさらに高くなる場合もあります。
シロアリ駆除業者の費用比較
次に紹介するのは、シロアリ駆除業者別での費用比較です。
実は、シロアリ駆除の価格の決定要素として大きいのが業者のレベルの差です。
シロアリ駆除業界では大きく4つのタイプに分かれています。
大手上場企業・JA(農協)系
おおむね坪あたり1万円前後(1㎡あたり3,000円前後)の価格帯です。
事業規模が大きい分、信頼感も高いイメージですが、その分経営コストが高め(宣伝費や人件費)になっていることと、JA(農協)系も紹介手数料をJAに相当分額を支払う必要があるので、その分は高くせざるを得ないでしょう。
地域密着型中規模業者
それぞれの地域において古くから独自ブランドで展開している業者です。
おおむね坪あたり5,500円~9,900円(1㎡あたり1,666円~2,970円)の価格帯です。
地域密着型で、地元に根ざした持続可能な経営スタイルを基本としています。
被害状況や施工の難易度等に応じて価格を見積もる場合が多く、大手企業や激安業者のようにほぼ一律ではなく、その現場状況に合わせた価格設定があることが特徴です。
ホームセンター・インターネット集客激安業者(フランチャイズ・ブローカー型)
ホームセンターやインターネットでのシロアリ駆除集客サイトでは、おおむね坪あたり3,300円~(1㎡あたり1,100円~)と割安になっています。
ネットやチラシで宣伝を展開しているため、見かけることが多いのではないでしょうか?
ただし、このような業者のほとんどは、いわゆるフランチャイズ・ブローカー型と呼ばれ、単に申込みの受付や宣伝だけを行っています。
そして実際の工事は自社ブランドだけでは展開が厳しい小規模業者が下請けとなって担当しています。
ホームページを見る限り、サイトが自社で施工しているように見えていても、工事は委託契約をしている業者が行っているのです。
多種多様な独立系の小規模事業者の集まりに仕事を振り分けなければならないため、技術や資格、統一された工事基準やルール、コンプライアンスが大手企業や中規模業者ほど確かなものではありません。
保証に対するサポートや対応も下請け業者まかせになります。
また、お客様から頂く費用の中から、ホームセンターや集客サイトへ紹介手数料を相当分額支払わないといけない(おおむね30%程度)ため、短時間で多く仕事をこなしていかないと経営が成り立たない状況に置かれています。
個人経営
最近では、インターネット上での仲介サイトに登録して個人でシロアリ駆除を営む業者も増えてきています。
個人経営だけあって、さらに価格が安くなり、中には坪あたり2,640円~(1㎡あたり880円~)という価格を打ち出している場合もあります。
ただし、先ほどのフランチャイズ型以上に、実際の工事品質においては、レベルの維持、統一に不安が残ります。
仲介サイトはあくまで業者名を掲載するだけで、その業者ごとの工事品質を保証しているわけではありません。
以前駆除会社に勤めていて、独立開業したパターンもあれば、工事経験の少ない個人がシロアリ駆除のプロとして登録している場合もあり、工事レベルの良し悪しに関しては、もはや実際に頼んでみないとわからない状態といえるでしょう。
さらにこの個人業者は、費用の中からプラットフォームサイトに20%の手数料を払う必要があり、フランチャイズ型と同じく、数多く仕事をこなさないと利益が出せない構造になっています。
5年間保証サービスも、駆除を担当した個人業者が途中で閉業してしまった場合、保証が受けられないリスクがあります。
さらに、損害賠償保険に加入とされていても、実際には業者の不手際によるミスだけに限定され、シロアリ再発生に対する保証はされません。
保険会社の審査によっては必ず補償されるものではないことも注意すべきポイントです。
まとめ
シロアリ被害は自分で駆除するのは難しいですので、プロの業者に依頼することをおすすめします。
大切なお家を守るためには、シロアリの駆除と予防は非常に大切です。
無料点検を行ってくれる業者も多いので、新築住宅でも念のため調査をしてもらうのがおすすめです。
早めの対策を打つことで、被害を最小限にできます。
ぜひ今回ご紹介した業者の選び方を参考に、シロアリ対策を検討してください。
シロアリ駆除をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。
ご相談やお問合せもお気軽にお待ちしております。