シロアリが発生する原因は?シロアリが出やすい家の特徴
2022.12.10
シロアリが住宅に発生する原因はシロアリの餌となる木材や紙類が豊富にあることです。
湿気がこもった柱や床板などに多くの木材が使われている住宅は、シロアリが好む環境になりがちです。
そこでシロアリが好む環境にならないためにしっかりと対策をすることが重要です。
シロアリ被害の事態を悪化させる前に発生原因を探り、発生させないための対策を考えてみましょう。
シロアリが発生する原因
床下から建物を食害することで知られるシロアリは、実はゴキブリの仲間で、アリの一種ではありません。
世界中で2千数種類もの生息が確認されていますが、日本の家屋に影響を与えているのは、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」の土壌性シロアリと、「ダイコクシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の乾材シロアリの4種類です。
シロアリの生態
シロアリの種類によって生態が異なるため、それぞれ対策が必要です。
ヤマトシロアリは北海道の北部を除くほぼ日本全国に分布しており、主に関東で多く見られます。
主に4月頃から10月頃にかけて活発に活動します。
湿った材木を好むため、床下が被害を受けることが多いですが、湿気の多い建物は天井まで被害が広がることもあります。
イエシロアリは寒さに弱いため、主に関東より南に分布しています。
しかし、最近の気候温暖化の影響や高断熱住宅の増加により、イエシロアリの分布も北上している傾向があるようです。
イエシロアリは水や湿った土を運び込む能力があるため、乾いた建材だけでなくコンクリートの建物までも被害が出ることがあります。
そして最近増加してきた乾材シロアリであるダイコクシロアリは、乾燥した木材の中に穴を作って生活します。
寒さに弱いダイコクシロアリは奄美大島より南の地域に分布しています。
アメリカカンザイシロアリは、ヤマトシロアリの体長の2倍くらいの大きさをしています。
生活に水を必要とせず、家具類も食害します。ピアノやタンスなど乾燥した木材を好みます。
購入した木材家具の中にいたなんてこともあるので、木材を使った家具を購入する際は注意が必要です。
シロアリが好む環境と条件
シロアリに限らず、ゴキブリやハエ、ムカデといった害虫はエサが豊富な場所に集まります。
シロアリの好物は水分を含んだ柔らかく、かじりやすい木材です。
特に腐朽菌(ふきゅうきん)と言われる菌が繁殖し、腐った木材は大好物です。
その他、木材を原料としている紙や、湿気で柔らかくなった畳など、わたしたちの生活圏に存在し住宅や家具の素材、身近で必要としているものばかりです。
家の中と外でシロアリが発生しやすい場所を紹介します。
玄関
多くの場合、コンクリートやタイルで覆われているためシロアリ被害を食い止められると思いがちですが、実はドアを囲む枠木(わくき)と呼ばれる部分はコンクリートに挟まれているだけで土に面してる構造のものが多く、シロアリの餌食になりやすいと言われています。
ご自宅の玄関周りを確認してみましょう。
意外にも玄関は木材を使用している部分が多いです。
住宅内のシロアリ被害事例として多数確認もされています。
畳
畳は古くから湿気を吸い部屋の湿度や温度を調整する役割がありますが、水分を吸って柔らかくなったい草は、シロアリにとってエサとなります。
また、畳にシロアリが到達するということは、既に畳下の板、床下の木材は大きく加害されている可能性が高いです。
畳がシロアリに加害されているのを確認したら、住宅内の徹底したシロアリ調査が必要でしょう。
家具
木材家具もシロアリ被害に遭いやすいです。
畳同様、家具に被害が及んでいればフローリング、床下は大規模な被害が広がっている可能性も高く、建物が危険にさらされているかもしれません。
シロアリ被害を見つけ次第、シロアリ調査を行いましょう。
また、外来種であるアメリカカンザイシロアリは輸入家具に付着している場合も多いため、床下だけではなく家具が発生原因になることも十分考えられます。
水場
意外かもしれませんが、風呂場・洗面所もシロアリ被害の事例が多い場所です。
風呂場は経年劣化したタイルの隙間や亀裂から侵入しているケースが多く見られます。
風呂場の洗い場はタイルやコンクリートがありますが、下は土壌であることが多くシロアリにとっては意外と侵入が簡単な場所になります。
建物の取り壊しを行うと水場にシロアリ被害が見られたというのは珍しいことではありません。
ベランダ・庭
ベランダは雨漏りから二次被害でシロアリが発生した事例が多いです。
2階やマンションであっても水はけが悪い、素材に木材が使われているところは特に要注意です。
また、ベランダや庭で木枠のある花壇を使って、そこからシロアリが発生したケースもあります。
通販などで届いた段ボールなどを溜めこみ、ベランダや庭に放置し、そこにシロアリが集まっていたという声も多く見受けられます。
ウッドデッキ
近年人気のウッドデッキは、雨ざらしになることが多く、こまめにメンテナンスを行わないとそれ自体がまるごとエサとなり、シロアリを呼び寄せて発生の原因となってしまうことがあります。
設置するメーカーや業者によっては設置時に対害虫用の薬品を塗料してくれますが、雨ざらしになるため薬品の効果が持続しないところが厄介です。
シロアリが発生しやすい家の特徴
シロアリは雑食性ですので、家屋の木材のほか、プラスチック、繊維類、皮革類、コンクリートもエサになります。
建物の支柱やコンクリートなどを食べて穴をあけるため、シロアリ被害を放置していると災害などが起きた際に倒壊する可能性もあります。
シロアリが発生しやすい家は、薬剤の有効期限である5年を過ぎても予防施工をしていない家です。
また、シロアリが好むダンボールや発泡スチロールを外の物置などに溜めている家もシロアリが発生しやすくなります。
ダンボールや発泡スチロールはこまめに廃棄しましょう。
そして、シロアリは湿気が多く、風通しの少ない家に被害が多いです。
湿気が溜まりやすい水回りなどは特に気をつけた方がいいでしょう。
シロアリを寄せ付けないための予防
シロアリの被害を防ぐための対策として、シロアリが侵入できないよう経路を断つことと、シロアリが家に近づけないように予防処置を施すことが必要です。
まずはお住まいの点検をして、基礎や土台にひび割れがないか、結露している場所がないか、建材が傷んでないか確認しましょう。
ひび割れた部分からシロアリが侵入できないように早めに修繕することが必要です。
早めに修繕をしておくことで、シロアリの被害を防ぐだけでなく、長く快適に暮らせることができます。
ここからは、シロアリを家に近づかせないための予防措置を紹介します。
大きく分けるとシロアリが家に近づけないようにするために、家の風通しと日当たりを良くすることと、シロアリ防除剤を使用する方法があります。
家の風通しと日当たりを良くする
土壌シロアリは湿気を好むため、普段から家の風通しや日当たりを良くしておくと、シロアリが入りません。
湿気がこもりがちな床下や屋根裏部屋、押入れや納戸なども定期的に換気をして風通しをよくしましょう。
カビやダニの発生予防にもなります。
風呂場も使用したらドアを開けっ放しにせず、浴室換気扇をつける、窓を開けるなど意識して換気に努めてください。
段ボールや木材を放置しない
外に段ボールや剪定を行った枝、DIYで使用した木材などを放置しているご家庭は多いです。
捨てるタイミングが難しいのでどうしても置きっぱなしになってしまうこともありますが、できるだけ置いておく時間を短くするように調整・工夫しましょう。
また、伐採して根を抜いていない庭木がある家庭もご注意ください。
切り株が腐り、シロアリが発生することもあり得ます。
雨漏り・水漏れ対策を徹底する
雨漏りや水漏れが二次被害としてシロアリを呼び込んでしまうことがあります。
天井や床、濡れた家具などが腐りシロアリのエサとなってしまうことは十分考えられます。
水回りはメンテナンスを怠らず、雨漏りの兆候が見つかれば早期修繕や修理を行いましょう。
また、結露が溜まったサッシや窓周りもこまめに水分を取り除いてください。
シロアリ防除剤を使用する
シロアリを家に近づけないようにするために、土壌処理と木部処理の2種類があります。
まず、土壌処理とは、床下の土に防蟻剤を散布する方法です。
シロアリは地中から侵入するので、その通り道に薬剤を散布することで侵入を防ぐことができます。
次に木部処理とは、住居の建材に直接薬剤を吹きつける方法です。
この処理を並行して行うことで確実にシロアリを予防することができますが、その効果は5年ほどとされていますので、定期的に予防処理を行いましょう。
これらの処理は専門業者に依頼する必要があります。
もし、すでにシロアリがいる、あるいはシロアリがいるような形跡がある場合には、シロアリ駆除のプロにお願いすることをおすすめします。
シロアリが発生してしまった時に自分で駆除する方法
シロアリ被害は自ら被害状況を確認するのが難しいですが、とりあえず発見したシロアリ、羽アリをなんとかしたい、自分で巣を発見してしまった場合などは殺虫剤を使用して駆除しましょう。
家庭用のシロアリ殺虫剤も、ドラッグストアやネット通販、ホームセンターなどで簡単に入手できます。
以前はシロアリ殺虫剤の有毒性が問題になっていましたが、近年は業者用も含め環境や人畜への影響の少ないものが主流になっています。
安全に使用できることがメーカーからも約束されています。
しかし毒性がゼロとは言えません。
小さなお子さんやペット、アレルギー症状のある方への配慮は欠かさず行いましょう。
また、殺虫剤はまいておくとシロアリ予防にもなります。
どうしても殺虫剤を使用したくないという方には「ベイト工法」と呼ばれるシロアリの習性を生かし薬剤を巣全体に行きわたらせて全滅させる方法がありますが、こちらは長期戦であり、専門知識を要するためご自身で行うのはかなり難しいとされています。
被害が大きい場合はシロアリ駆除業者
被害が大きい場合は、羽アリや目に見える住宅内に侵入してきたシロアリの駆除にとどめ、無理をせずシロアリ業者へ依頼しましょう。
新築の場合はシロアリ予防を行った方が賢明です。
基本的にシロアリ予防は薬剤散布で行われます。
前述のとおり、環境や人畜への配慮から以前主流だったものより殺虫効果は弱くなっているため、効果はおおよそ5年です。
5年おきにメンテナンスとして薬剤散布するのがおすすめです。
多くの業者が掲げる保証5年は、薬剤の効果期間でもあります。
まとめ
普段は人の目につかないところで活動しているシロアリは、他の害虫と違って身近に感じられない方も多いですが実は被害が甚大で、私たちの生活に大きく影響します。
家は大切な財産のため、家族やご自身のためにも予防に努め、しっかりと住宅のメンテナンスを行いましょう。
気配が見られたらすぐに対策を行ってください。
早期発見・早期対策が被害を広げないために最も重要です。
少しでも不安を感じたらシロアリ駆除のプロにお願いしましょう。
シロアリ予防・駆除をお考えの方は、住まいるヒーローズにお任せください。
ご相談やお問合せもお気軽にお待ちしております。